先天性心疾患:完全大血管転位症Ⅰ型~手術編~

先天性心疾患

赤ちゃんがいない

手術は生後2週間を目処に行う予定です。

それまでに体重を増やしましょう。

ミルクは30cc飲めています。

大学病院はベッドの空きが無く、空き次第、転院→手術となります。

 

 

面会では色々言われて混乱して疲れていました。

幸い上の子はベビーもおらず、母も割りと回復してるので赤ちゃん返りはせずに落ち着いていました。

 

 

 

しかし、寝ているときにふと隣を見ると

産んだはずの赤ちゃんがいない。

今まで当たり前に隣に寝て

授乳して

泣いたらだっこして

頭を撫でて

可愛いね、ってすりすりしてた。

それって当たり前じゃなかったんだって実感が

怖かった。寂しかった。

 

 

でも泣いていられるほどの時間も与えてくれない上の子たちのおかげで日々を送ることができていました。

 

転院

 

ある日面会で転院の日が決まったと言われ

バタバタ用意を始めました。

転院時に着る服

鼻のチューブを抜かないようにミトンも。

おくるみ、紙オムツ、おしゃぶり(チューブに当たらないやつ)などなど。

産後2週間だけど、買い物行きましたよ(;´д`)

 

でもそれぞれに名前を書いていたら

「ママしてる」感が沸いてきて

搾乳以外に出来ることがあった!と

謎の喜び(笑)

 

 

そして転院の日。

 

手術に備え、体力を温存するために鎮静の薬を入れているとのことで、ベビーはぐっすり眠っていました。

主治医が救急車に乗って付き添うので

私はあとから車で追いかけて行くことに。

夫も一緒に行きました。

 

 

 

手術の日が早まって良かった。 

 

人間【未定】とか【分からない】とか

不透明なことが一番怖い。

 

大学病院に着くと、面会用の用紙を記入し、その他入院の書類と手続きを済ませて面会。

 

 

まだ産まれて2週間弱なので時々焦点の合わない視線に

思わず泣いてしまった。

 

 

この子は本当に大丈夫なのだろうか。

何か他にあるのではないか。

 

 

15分しかない面会の時間。

出来ることはもっとあるはずなのに

泣きながら話しかけたらあっという間に終わっちゃった。。 

 

 

 

それから執刀医と麻酔医から説明を受けました。

 

現在の状況

生後13日目での手術予定。

【病名】完全大血管転位症Ⅰ型

BAS治療により、チアノーゼは改善し、SpO2は80程度。

【手術】ジャテーン術(Jatene)

人工心肺を使い手術を行います。

その他冠動脈の位置により、手術の進行が変わることや血栓などのリスクの話しもありました。

知りたいのは成功の確率。

年間少数ではあるものの、手術例はあり、どの子も救えているとのことでした。

そして

この手術になってからまだ歴史は浅いが、今は生きている方々が歴史を作っている

その言葉を聞いて

「この子も歴史を作っていく一人に…」

 

 

少し希望が持てました。

手術当日

朝9時から手術なので

執刀医「8:45に部屋をでるので、この窓のところに来てください。通るとき少し見えますよ」

 

と教えてくれていたので8:30~スタンバイ。

 

スタッフが出入りするのをずっと夫と他愛もない話をしながら見ていました。

 

そしてベビー通過。

 

 

えっと…

 

 

コットに入り、5人くらいに囲まれて、5メートルくらい向こうを通ったので

 

執刀医が会釈するのしか分かりませんでした(笑)

 

 

もう任せて祈るしかない。  

 

 

終了予定は3時から4時。

長い長い手術時間の始まりでした。 

 

 

気丈で楽観的な夫は

コーヒーでも飲もう!パン買おう!

と大学病院を満喫していました。 

(私を落ち込ませないようにとの配慮かもしれませんが)

時々車で搾乳しては捨て…

おやつを食べて気を紛らわして… 

 

4時。

 

 

電話は鳴りません。 

 

 

 

何かあったのかな? 

冠動脈が妨げになっていたのかな? 

 

 

夫は考えても仕方ない。待つだけ。と。

 

その通りですよね。 

術後の電話

看護師さんから「終わったのでCICUの前まで来てください」

 

 

すぐに向かいました。

そしてベビーの元へ。

 

 

 

執刀医「安心してください。成功しました。これで普通に幼稚園にも学校にも行けますよ。」

  

 

神様降臨。

 

 

 

よく頑張ったベビーは人工呼吸器をしてよく眠っていました。 

 

本当によく頑張った!

生きていてくれて嬉しい。

当日中には胸が閉められないかもしれないと言われていましたが、無事に閉めれたそうです。

 

胸が開いたままって恐ろしい状況ですよね…(>_<)

ひとまず安心。

 

看護師さんから人工呼吸器が段々簡易なものになり、自発呼吸が出来始めたら地元の病院に転院します。早ければ一週間くらいですね。と言われました。

一週間。割りと早いな。と言う感じでした。

 

 

 

この病院、週1、15分しか面会できないから

早く地元の病院に帰っておいで!

 

でも、術後の面会はカウントに入らないから

2日後にまた会いに来るね

と約束してから帰りました。

 

 

しかしこれからが長い戦いの始まりでもありました。

続きます。

関連リンク

先天性心疾患:完全大血管転位症Ⅰ型~妊娠&出産編~
普通の出産だと思ってた。普通に産んで、普通に授乳して、入院が終われば普通に家に帰って3人育児が始まると思っていた。しかし産まれてきた赤ちゃんは救急搬送されていった。普通って何?先天性心疾患が分かるまでの出産前後の出来事と心境の記録。
先天性心疾患:完全大血管転位症Ⅰ型~病名の判明&心境編~
SpO2が60台で産まれてきた赤ちゃんの救急搬送から生後0日での処置、治療のこと。状況の分からないままの母のメンタルとその時するべきことを書いてみました。産後の体で出来ることは少なく、赤ちゃんの鳴き声を聞かない入院生活でのメンタルについて。
先天性心疾患:完全大血管転位症Ⅰ型~面会編~
初めての面会産後5日。私の主治医の許可が出たので、初めてベビーに会いに行きました。冷凍した母乳を携えて。  産後間もないので車椅子移動でした。少しの振動でもチクチク痛むお腹。...
先天性心疾患:完全大血管転位症Ⅰ型~術後の経過~
手術は無事終了したが、呼吸器の抜管までに時間がかかったり、点滴が漏れたり、血栓が出来、新たにカテーテル治療が必要になったり、と一筋縄ではいかない術後だった。大きな病院では一週間過ごす予定が1ヶ月過ぎていた。なんとか地元の病院に帰ってこれた、退院までの記録。

コメント

タイトルとURLをコピーしました